HOME > 組合からのお知らせ > 石屋の小話 > 蛭川みかげ石の『錆石』について
2013年05月30日
[ 石屋の小話 ]
蛭川みかげ石の特徴である『錆石』について少しお話したいと思います。
《錆石が出来るメカニズム》
かつて錆石は、石に含まれる鉄分が浸透した酸性水により酸化したものと考えられていました。
しかし、その後の大学の研究の中で、岩石が生成され、凝固する時に収縮しクラックが発生します。そこへ高圧のマグマから発する熱水が浸透する事で、最初に緑閃石成分が侵入し皮膜が作られます。それにより鉄分などの進入が妨げられるために、白と錆の強いコントラストが生まれるという事が解明されつつあります。
つまり、蛭川みかげ石の錆は風化や酸性水等の影響で出来たものではなく(朽ちた石、腐った石との評価がある)最初から錆石として生成されたものである。錆部分の色落ちがない事も、この理由によるものであると思われます。